top of page

ふくれまんじゅうのこと

またまた振り返るシリーズから脱線してしまいますが、どうしてもお盆の出来事を書き記しておきたかったので、気まぐれボンビー嫁にお付き合いください。

今日は、「ふくれまんじゅう」のことについて書きたいと思います。

ふくれまんじゅうは、地域おこし協力隊の任期後に引き継ぐ「花野果(はなやか)さん」の主力商品でもあるフワフワのおまんじゅう。新上五島町では、カトリック教会では、お祝いの席で振る舞われるおまんじゅうで、ふくれ餅とも呼ばれています。

(花野果さんの名物「ふくれまんじゅう」)

新上五島町には29もの教会があり、4人に1人がカトリックの信者さんです。私はキリスト教を信仰しているわけではありませんが、島にいると教会の行事や文化、風習を身近に感じる機会が多々あります。今年の8月15日もそうでした。

カトリックの方々にとって、終戦記念日でもある8月15日は、聖母マリア様の被昇天の日とされていて、各教会でお祝いのミサが行われます。その席ではふくれまんじゅうが振る舞われ、8月15日は別名「ふくれまんじゅうの祝いの日」とも呼ばれているそうです。

その話を聞いて、いてもたってもいられなくなり、実際にそのお祝いの日をこの目で見たいと思って、そのお話を聞かせてくださった巡礼ガイドの大崎さん(とても素敵な方で、小麦を育てるムギ部にも毎回参加してくださっていました!)に連絡を取り、急きょ大平教会へと向かいました。

大平教会にはこれまで一度しか行ったことがありませんでした。というのも、めちゃくちゃ遠い!私が勤務する役場有川支所からだと車で1時間以上かかります。でも、こういう機会がないと滅多に行けないので、気合いを入れて車を走らせました。

(大平教会の前に立つマリア像)

カトリック教会は、全て聖人に捧げられて建てられているそうです。聖人は「保護者」と呼ばれており、この大平教会の保護者は「被昇天の聖母」。つまりマリア様に捧げられて献堂された教会です。なので8月15日には、マリア様にお祈りを捧げて地区を練り歩く「聖母行列」が行われます。

(防波堤の上で聖母行列のスタートを待つ信者さんたち。高齢化が進み、聖母行列も簡素化しているそうです)

聖母行列を見たのは、この時が初めてでした。

大平地区は高齢化が著しい地区ですが、この日に合わせて帰省している人たちがたくさんいて、花に彩られたマリア像が設置された教会の近くの堤防には、小さな子どもも合わせて40人ほどの信者さんたちが集まっていました。このマリア像を先頭に、マリア様への祈りの言葉を何度も何度も繰り返しながら、ゆっくりと教会へと歩いていきます。とても静かで厳かな時間です。

(マリア像を先頭に、祈りを唱えながら海辺から教会へと練り歩く神父様や信者さんたち)

聖母行列の後にはミサが行われます。祈りと聖歌を聞きながら、私は、生と死、罪と祝福、そして自分の人生について考えを巡らせました。そんな神妙な時間を過ごしたミサでしたが、ミサが終わった途端、なんと教会の横で信者さんたちによる盛大なBBQ大会が始まりました。神父様もじいちゃんもばあちゃんも若者も、ビール片手に肉や焼きそば、カレーを食べています。ここでふくれまんじゅうが振る舞われるので、「ふくれまんじゅうの祝いの日」と呼ばれるのですが…

この日はなんと、ふくれまんじゅうが出なかった!

ふくれまんじゅうをたくさん作るには人手がいります。だけど大平地区は高齢化が進んでしまって、ふくれまんじゅうをみんなで作ることがついに難しくなったそうです。

大平のまんじゅうに会えなかったのはとても残念でしたが、この日が「ふくれまんじゅうの祝いの日」として親しまれるように、来年は私たちが作ったふくれまんじゅうを持って、またこのBBQに参加したいと強く思ったのでした。

特集記事
記事一覧
アーカイブ
タグ一覧
まだタグはありません。
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page