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2年目のスタートライン

 本日、新上五島町に移住して丸1年を迎えました。あっという間だったような、もう3年くらいいたような、なんとなく過ぎてしまったような、時の流れに必死に抗ったような、一言で表すと、とてもつかみどころのない1年でした。

 でもこの感じは、私は悪くないと思っています。もちろん良くもないのですが、敷かれているレールから脱線して1年目としては、なんとか新しい道を切り開こうとしつつ、離島に来たからにはゆったりした時間を過ごしたいという気持ちも抱きつつという中で、こういう1年になったんだと思います。

 進学校を目指して勉強して、新聞記者になるために大学に入って就職活動をして、本社に上がるために必死に夜回りをして、行きたい部署に行くために目を引くような原稿を書いて…

 ずっと、世間的な評価を基準に、ちょっとでもいいところを目指して、そこに近づくことで、世間というか周りの人に評価されることで達成感を得て、評価されるために頑張って頑張って走り続けてたレールの上でふと立ち止まって、人生について考えて、たどり着いたのがこの島だった。

 地域おこし協力隊として働きながら、生きがいを見つけて、それを仕事にして生きていきたい。そう思って選択した地域おこし協力隊。面接のとき、「ぜひ一緒に町を盛り上げて欲しい」と言っていただき、これまでの記者経験がちょっとでも生かせたらと、私たちはこの島に飛び込んだ。

 1年経って感じるのは、私の考えは完全に甘かったということ。最大の誤算は、私がこの島に特に必要とされているわけじゃなかったということだと思う。落ち着いて考えれば、私には特に何の能力も技術もないから当たり前のことなんです。必要とされているわけじゃないから、具体的にこういうことをしてほしいということが特になくて(全くなかったわけじゃないけど、戦略的に私の存在をこういう風に使って行きたいという計画のようなものは全くなかった)、一人の労力的な使われ方になってしまった。イベントの補助、物産展の売り子、売店のお手伝いなどは典型的で、もちろん人手が足りないところを手伝うのはとても大切だけど、それって私たち移住者じゃなくても全然構わない部分であって、多分すごくもったいない税金の使い方なんだと思う。何で売り子なんてしないといけないのというのではなくて、地域おこし協力隊としてどういう仕事をしないといけないのか、自分の頭で全然考えてなくて、周りに流されてしまったということで、2年目に向けて絶対に反省しないといけないところだと思う。

 つらつら書いてしまいましたが、この1年は反省の塊で、2年目はちょっとでも爪痕が残せるような仕事をしたいと強く思っています。実は、8月からはこれまで働いていた新上五島町観光物産協会から所属を役場の観光商工課に移ることになりました。役場に行くけど、役場の職員とはちょっと違う、よそ者の地域おこし協力隊だからできる仕事が1つでもできたらいいなと思っています。

 この1年、地域おこし協力隊というよくわからない立場に戸惑って、いろんな人に迷惑をかけて、地域おこしらしい活動ができずにイライラして、しんどいことも悔しいこともたくさんありましたが、応援してくれる人もたくさんいて、何より心強かったのは一緒に怒ったり泣いたりしてくれる同じ地域おこし協力隊の王さんがいたことで、一人やったら潰れて終わってしまっていたと思います。2年目は、王さんと一緒に、頭と体をフル回転して、自分たちが一番ワクワクしながら地域の人たちもワクワクするようなことができたらいいなと思います。

 これからも応援よろしくお願いします。

(1年前の写真。原点回帰)

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