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かんころ作り

 気づいたら1ヶ月も更新が滞っていました…。

 この1ヶ月は、ひたすら事業計画書とにらめっこしていました。島に来て、これまで見てきたもの、感じたもの、そして自分の体力と能力(ほとんどないけど)を総動員して、自分がどうやって生きていくのかをひたすら考えていました。これまで考えないようにしていたお金の話ともちゃんと向き合わないといけなくて、とても大変な作業です。頭が痛いです。でも、とても大切な作業なので、無い知恵絞って頑張っています。

 そんな中でも、上五島では季節が秋から冬へゆっくりと移ろい、四季を感じる光景がいたるところで見られました。町内の教会はイルミネーションで彩られ、スーパーや美容室なども色とりどりの電飾をまとっています。年の瀬です。

キク美容室さん、今年も豪華です!

 このペンギンの飾りが一番気になりました。かわいい!

 私はというと、12月初旬に念願だった「かんころ」作りを体験しました!

 自分で育てたサツマイモ(紅あずま)だけでは足りなかったので、うどんの師匠の平岩さんにたくさん分けていただきました(ありがとうございます!)

 かんころ作りを教えてくださったのは、平岩師匠の親戚で、元うどん職人だった道脇ともこさん。いつも畑に出かけては、いろんな野菜を可愛がっています。苗も育てて、堆肥も作って、味噌や甘酒作りも得意。私なんかにも優しい声をかけてくれます。そんななんでもできるともこさんが、かんころ作りを教えてくれました。

 まずは芋を洗って、ひたすら皮をむきます。ピーラーが大活躍です。この日は太陽が顔を出していて温かかったのですが、軍手をはめていても水がめちゃくちゃ冷たい。なんとか皮をむいて、また水で洗って、黒くなってきた部分をまたピーラーでむいて。きれいになったサツマイモを、いよいよ薄くスライスしていきます。

 ともこさんが持ってきたのは、大きなカンナのような鰹節削り器のような器具。これで芋をひたすらスライスしていきます。ものすごい切れ味なので、「軍手を二重にはめてね」とともこさんからアドバイス。これまたひたすらスライスしていきます。この作業、怖いけど楽しい!ともこさんは鍋の準備。竈であっという間に火を起こしてしまいます。沸騰したお湯がたっぷり入った鍋に、スライスした芋をいれて湯がいていきます。

 ただ湯がくだけなのですが、湯がきが浅いとかんころが硬くなるし、湯がきすぎると干す際にぼろぼろになってしまいます。湯がき加減を見極めてざるにあけると、芋たちは鮮やかな黄色にゆで上がって、ほくほくと湯気を上げています。これを見たともこさんは「みんないい顔してるね」と顔をほころばせていました。

 ともこさんは、育ててる野菜を自分の子どものようにかわいがっています。「水や肥料がほしいときは、顔で分かるものね。え、竹内さんは分からないの?」って本当に驚いていましたが、私はまだまだそんな領域にはいけてないです。野菜と会話できるともこさんはすごいし、ともこさんの育てた野菜はとても大きくて美味しいのです。

 そんなともこさんのゴーサインをいただいた芋を、かんころ棚というところに並べていきます。私がゆですぎたので時々崩れてしまいましたが、鍋と棚とを何回も行き来して、ようやく棚いっぱいに芋を並べ終えました。「上出来ね!」というともこさんの言葉にほっと胸をなでおろしたのでした。全部の作業を終えるまでに2時間半ほど。あとは数日、空っ風にあてて乾かします。

「昔はおてんばだったよの」と言いながら、すいすい棚の上を進んでいくともこさん。ステキすぎます。

 天気に恵まれ晴れの日が4日間続き、再びともこさんの畑へ向かいました。芋たちはすっかりカラカラに乾いて、立派な「かんころ」になっていました。

 手間も時間もかかるけど、これで日持ちがするようになって、いつでもかんころ餅が作れます。先人の知恵はすごい。そして、やっぱり人生の先輩はすごい!年が明けたら、ともこさんと一緒にかんころ餅を作る予定です。来年も、熱い1年になりそうです。


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