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島ぐるみのおもてなし

  • sanaem0928
  • 2016年7月5日
  • 読了時間: 3分

 私が初めてこの島を訪れたのは昨年の6月で、その日はちょうど大型客船「にっぽん丸」が島に寄港していて、青方の宿から大曽教会まで散歩した帰り道、ちょうど出港しようとする「にっぽん丸」が対岸にいて、カラフルな紙テープをなびかせながらゆっくりと港を離れる船を、岸壁で大勢の人たちがいつまでも大漁旗を振って見送る様子を、夫と一緒に防波堤に座りながら眺めました。

 「時間がゆったり流れてるね」

 「なんかいいなあ」

 「ここで住もうよ」

 「俺もそう思った」

 大曽教会には夕方のミサのために近所の人たちが集まり、定時を告げる鐘がなっていた。ミサも寄港も、どちらも島の人たちにとっては何気ない景色なのかもしれないけど、時間に追われ、仕事をこなすことだけで満足感や達成感、優越感を覚えていた当時の私は、この島にはとても豊かな時間が流れているなと感動し、この島で第二の人生をスタートさせようと決めたのでした。

 だから大型客船の寄港は私にとって特別な風景で、スタッフとして客船をおもてなしする側に回った今は、1秒でも長く大漁旗を振っていたいと思うのです。

 そんな今日は、青方港に「ぱしふぃっくびいなす」が寄港しました。午前6時半からテントを立て、7時ごろからは業者さんや団体が集まってきて出店の準備。今回は島中から16の出店者(うち1つは中五島高校の生徒たち)が自慢の商品を持って集まりました。業者さんだけでなく、観光物産協会のスタッフや役場の担当職員さんたちがかかりきりになって、五島うどんやつきたてのかんころ餅を振舞いました。

 午後5時、出港のとき。岸壁では副町長をはじめいろんな人が大きな大漁旗を掲げ、デッキに出てきたお客様を見送ります。デッキから紙テープが次々と投下され、私たちは誰彼構わず、上五島とお客様を少しでも長く繋ぎとめようと拾っていきます。風に舞う紙テープの束は船と島に架かる虹ように見えて、大漁旗を振る手にも力が入って、船がゆっくりと動き出すと、握った紙テープにものすごい力がかかってあっという間に切れてしまって、それでもお客様は一生懸命手を振ってくださっていて、いろんな気持ちがこみ上げて、風に逆らうように大漁旗を振りながら、涙が出そうになりました。

 他の寄港地がどうなのかわからないけど、船でやってきたお客様を島ぐるみで汗まみれになっておもてなしをするって、当然のことなのかもしれないけど、すごいことだなと思います。当事者だからあまりこんなこと言うのは変なのかもしれないけど。ただ、いつも同じおもてなしになってると感じるので、もっともっと手作りに愛情も込めて工夫をしていって、「上五島のおもてなしがすごいらしい」って話題になるくらいに、やるならしないといけないんじゃないかなと思いました。

 ちなみに青方港は、県の重要文化財に指定されている煉瓦造りの大曽教会と、白亜の跡次教会を望むことができ、しかも高級魚カサゴ(アラカブ)が初心者でも釣れる私の大好きなスポットです。(写真は大曽教会)


 
 
 
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