top of page

ほたるホタル蛍

 闇に染まっていく相河川に小さな光がふわりと浮かび上がった瞬間、冷たい夜風も虫の音も、今日たまった疲れも、全てがどこかへ吹き飛ぶくらい、身も心も嬉しいという気持ちでいっぱいになった。久々に見たホタルの光は、儚いという言葉よりも小さいけど力強くて、ようやく辺りが暗くなったとはしゃぎ回る夏祭りの日の子どものように元気いっぱいに川面を飛び回っている。まるで小さな光のショーを眺めているようだった。

 今日はそんなにホタルの数は多くなかったらしい。それでも、いろんなところでホタルが舞っていて、ホタルが飛び交う自然環境がこんなに近く、当たり前にあるんだろいうことが不思議だった。小さい頃に、ホタルを見た記憶はない。もしかしたらいたのかもしれないけど、私が小さい頃は、すでにホタルが住むような自然環境はなくなっていて、田んぼが近くにあるすごくキレイな場所でしか、ホタルは見ることができなくなっていて、自然破壊が進んでいるというのが現状で、ホタルは見られないものだと思い込んでいた。だからホタルを見て、キレイだねと喜び合うような習慣はなかったと思う。大人になってからも、一度仕事でホタルを見たことはあったけど、すごく山奥まで車で行って見たというふうに記憶している。

 だから、上五島で、しかもすぐ隣に民家があるようなところで、ホタルがふわふわ飛んでいるのを見てともて驚いた。上五島の中でも、どこでもホタルが見られるわけじゃないけど、島内には結構ほたるスポットがあるらしい。でも聞くと、昔はやはりもっともっとホタルがたくさんいたというから、ホタルがこれからもずっと普通に気兼ねなく飛び交えるような環境を残していきたいなと思ったのでした。

 しかし、ホタルの写真って難しいなぁ…。あんまりうまく撮れなかったので、今度はもっとたくさんホタルが飛び交う日を狙ってリベンジしたいです。

特集記事
記事一覧
アーカイブ
タグ一覧
まだタグはありません。
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page