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「地域おこし協力隊」という選択②

【地域おこし協力隊】人口減少や高齢化などに悩む地方自治体が都市住民を受け入れる制度。農林漁業の応援、住民の生活支援などの「地域協力活動」に従事してもらい、あわせてその地域への定住・定着を図りながら、地域の充実・強化を目指す取り組み。任期はおおむね1年以上3年以下。

 憧れの田舎暮らしをいざしようとする際に大きなハードルとなるのが、住居と仕事だ。空き家は借りられないか、仕事は見つかるのか、本当に生活していけるのか。「地域おこし協力隊」は、この二つのハードルを一気に越えられるウルトラCのような制度。ただ任期は最長3年のため、3年後の生活を考える上では同じハードルがまたやってくるのだが、3年間で住居や仕事を見つけることができるかもしれず、急に移住するよりはずっとリスクが少ないように思えた。3年間、一定の給料を得られるというのは、心配性の私にとっては非常に魅力的だった。たとえ記者時代の給料の半分以下でも、好きな場所で「これだ!」と思った記事を自由に書き、海や土に触れられる環境はお金には変えがたいと思った。

 「地域おこし協力隊」という選択肢を見つけた私たちは、移住先でどんな野菜を育てるか、どんな魚を狙うか、そして何を目指すかについてワクワクしながら、真剣に、時には衝突しながら話し合った。新生活に思いを馳せる時間はとても楽しく、「早く移住したい」と思うようになった。退職を7月末にすると決め、5月のGW後にはそれぞれの上司に伝えることにしようと決めた。その頃にはもう、ある程度どこに移住するかを決めていないといけない。

さっそく「JOIN ニッポン交流・移住ナビ」のサイトから地域おこし協力隊の募集情報を調べると、北海道から九州まで実にさまざまな自治体が募集を出していることに驚いた。でも細かく調べると、募集要項が微妙に違う。自治体との雇用関係の有無や週の労働時間、雇用保険の有無、住宅支援、さらには月給まで実にさまざまだった。

 私たちが条件にしたのは①西日本 ②美しい海がある ③自治体との雇用関係がある ④「おもしろい!」と思える何かがある、の4つ。サイトで募集要項を眺めたり、週末は東京・有楽町の東京交通会館で開かれる各地の移住相談会に参加したりし始めた。移住相談会では、実際に「地域おこし協力隊」として働く同世代の女性(しかも新婚さん!)のお話を聞く機会があり、そのパワーあふれる姿に大きな力をもらった。

 4つの条件を満たし、さらにはこれまで記者しかやってこなかった私たちを必要としてくれる募集枠はあるのか。夫と相談しながら、私たちは3つの自治体に絞り、履歴書を投函した。

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