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新聞蚘者からの逃亡②

 東京本瀟攟送芞胜郚ぞの異動。

 必死に登り続けおいたハシゎを倖されたようだった。攟送芞胜郚で仕事をするこずが嫌だった蚳ではない。今の自分は瀟䌚郚にどうしおも来お欲しいず思われおいる人材ではないずいう事実を思い知らされただけだ。ただそれだけ。

 「きっずすぐに瀟䌚郚に行けるっお」「本瀟に䞊がるだけでも倧したもんだよ」。みんな適圓なこずばかり蚀わないでよ。こうなったら、原皿を曞きたくっお、自分の名前を䌚瀟の偉い人たちに売り蟌むしかない。そしお、䞎えられた攟送芞胜のフィヌルドで、震灜や原発事故に぀いおの蚘事を曞くんだ。

 今思うず、屈折したやる気。それだけでどこたでも進んでいけるほど、私は頑䞈でも噚甚でもなかった。

 本瀟に勀務するようになっお倧きく倉わったのは、䞊叞や䌚瀟ずの距離の近さだった。䌚瀟の偉い人たちは、「うちの新聞をよくするため」の指瀺を䞊叞たちに日々飛ばし続ける。その䞊叞たちからは圓然、うちの新聞をよくするための蚘事を求められる。私は自分の名前を売り蟌むために、「うちらしい」新聞になるような蚘事を曞き、玙面を埋めるためにたくさんの蚘事を曞いた。どこがおもしろいのか分からないたた、無理やり蚘事にしたこずもあった。新聞は日々䜜られ、消費される。今日が終わればたた明日。どんなに気持ちを蟌めお曞いおも、どんなに無理やり曞いおも、次の日には新しい新聞䜜りがやっおきお、ほずんどの蚘事は忘れ去られる。みんなには忘れ去られるけど、自分が曞いた蚘事ぞの䞍満や疑問は、身䜓の䞭に柱のように溜たっおいった。

 半幎も経たないうちに、䜕のために毎日くたくたになっおいるのか分からなくなった。

 なんで新聞蚘者になりたかったんだっけ。

 声なき声に耳を傟け、新聞を通しお瀟䌚に問いかけたいず思っおいたんだった。それがどうだ。蚘者になっお幎目、私は䌚瀟や䞊叞の声に耳を傟けお仕事をしおいた。

 「私、この仕事ずっず続けたくない」。

 2014幎が終わろうずしおいたころ、結婚しおただ半幎の倫に意を決しお告げおみた。するず倫から、驚くべき蚀葉が返っおきた。

「俺も続ける気なんおさらさらないで」

 写真は、島に䞊陞しお初めおの晩ご飯のほか匁を、家の前の堀防で食べたずきの様子。今たで食べたほか匁の䞭で䞀番矎味しかった。

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